改修前  R-2000歴史と背景

[ R-2000 ]とは


R-2000住宅とは、カナダで開発され1985年にカナダ政府より日本に紹介された 高気密・高断熱住宅です。断熱性能値「R20」と、西暦2000年までに住宅の暖房エネルギーを1/4にしようという目標から命名されました。


①高断熱性能 = 消費エネルギーの低減
②高気密性能 = 空気漏れによる熱損失の低減と、外気の塵などの侵入防止。
③熱交換による連続した機械換気 =新鮮な空気を入れ替え、消費エネルギーを節約。
④高性能な窓とドアの採用 = 構造躯体の断熱・気密性能とバランスをとる。
⑤パッシブソーラー = 冬季の太陽熱の利用と、植栽を植え夏場の直射日光を遮る。
⑥エネルギー効率の高い機器 =セントラル方式の冷暖房と給湯を効率よく連動させる。

概要  
1973年 第1次オイルショック
生活用エネルギー消費が高いカナダで、省エネが急務になる。
※サスカチュワン州にて12棟の断熱モデル住宅を建てる。
1979年 第2次オイルショック
※ノバ・スコシア州にて、断熱デモンストレーション住宅を建設。
1980年 カナダエネルギー・鉱山資源省がR-2000プロジェクトを発表。
1982年 カナダ官民合同による、R-2000住宅の取り組みが始まる。
1985年 カナダ政府により、R-2000プログラムが日本に紹介される。
1988年 R-2000プログラムをカナダホームビルダー協会に移管。
※日本各地に、8棟のR-2000住宅が完成
1990年 (社)日本ツーバイフォー建築協会で、R-2000住宅の認定制度が始まる。

上野住宅建材は、カナダの大手木材メジャーから、建築用木材を直輸入し販売していました。 1974年、日本に2×4住宅が導入された数年後、2×4ディメンションランバーの輸入を開始し、 新潟県下のビルダーに販売するようになりました。折しも、カナダではR-2000が産声を上げ、高性能住宅の拡販に努めていました。

上野住宅建材でも、新潟県内での2×4工法の普及のため、(社)ツーバイフォー建築協会新潟支部の強い要望と、地元ビルダーの支援のもと、R-2000モデル棟の着工に至りました。

(写真左)R2000モデルハウスの設計を依頼した、故 櫻井(さくらい)氏
(写真右)1991年5月31日付けの住宅産業新聞表紙 新聞中面

竣工後は、全国より多数の資材販売会社・ビルダー等が見学に訪れ、カナダの省エネ性・快適性等の技術を学んでいき、高気密・高断熱の礎を創りました。

現在では、(社)ツーバイフォー建築協会も認定制度を止めてしまい、R-2000を知る人は数少なくなってしまいましたが、化石燃料の枯渇問題や度重なる自然災害に対応できる 省エネ住宅の必要性が改めて問われています。